淋しいよ・・・

2001年6月13日
「メール即電話」の一件の後、
何だか申し訳なくて、
そう簡単にメールが打てなくなる。
メールだったら、電話で話すよりは
他愛もないことでも
何気に話したり出来るかなぁって思ったけど
却って迷惑をかけてしまうかもしれないし・・・

淋しい。
壊れちゃいそうだよ・・・

夕べのことが・・・

2001年6月12日
心に引っかかったままだ。

今更こんなことを言っても
もう遅いのだが
果たして、あんなことを聞いて
よかったんだろうか・・・

でも、こっちの思いとは裏腹に
彼の方ではもう、夕べのことなんて
奇麗さっぱり忘れているかもしれない。
大概、そうだ・・・

どうしてるだろう、今頃・・・
ひょっとしたらもう
山形に行ってるのかもしれないな。
たとえ、行くことになっても
知らせてくれそうにないしね(苦笑)

そうだ。本、読もう。
今ももちろん、いろいろ読んでるけど、
彼が言ってた・・・そう、
吉村昭氏の。
「仮釈放」はもう読んだし。
だから「破獄」を今日、買ってきた。
これを読んだら、彼にメールしよう。
今度は、たとえすぐ電話がかかってきても
大丈夫な時間に。
だって、同じ失敗は二度と出来ないもんね。
彼の仕事は、だいたい夜中の2時ごろ、
終わるらしい。

携帯が鳴ったのも、夜中の2時ちょっと前だった。

やっぱり、今日、来たか。

電話に出る。
「すいませ〜ん。夜遅くに・・・」
夕べとは違い、
やや、仕事モードは抜けているようだ。
「で、どうした?」

いよいよだ。

「いえ・・・ホントは
こんなこと、聞く必要はないんですが・・・」
一息置く。
「どうして、お金を借りようと思った相手が
『あたし』だったんですか?」
・・・沈黙が流れた。
「あたし、あの2万、3日で作ってみて
思ったんですけど、あたしが
3日で作れたんだから、Aさんだったら
多分、もっと早く作れたんじゃないかって・・・
それに、Aさんだったら、
何もあたしじゃなくても、確実に
貸してくれる人、たくさんいると思うんです。」
そこまで一気に言った。
「うん・・・そうだろうねぇ。」
彼がぼそっと言った。
そしてまた、約1秒の沈黙。
「・・・別に、何も考えてなかった。
特に意味はないよ。」
「そうですか・・・ならいいんです。
すみません、忙しい時に、
こんなアホくさいことで・・・」

よく考えてみたら。

もし、本当は何か意味があったとしても
聞かれて答えるような彼じゃない。
っていうか、誰だって答えやしないだろう。
ホントに、「アホなこと聞いたなぁ。」
と、ちょっと後悔する。
機嫌を損ねてしまったりしてないだろうか・・・

しかし。

やっぱり気になっていたことだったから
どうしても聞いてみたかった。
確かに、「こんなこと、聞くことじゃないよな。」
という気持ちはあった。
でも、敢えて、聞いてみようと思った。
答えは予想していた。
そして、予想通りの答えだった。

多分、もう、こんなことは
聞いたりはしないだろう。

決して、彼の気持ちが分かったわけではない。
でも、何となく、安心した気持ちになった。
相変わらず彼からは
何の連絡もない。
よっぽど忙しいのだろうか。
6月に入っても、まだ
山形に行けないでいるわけだから
かなり仕事は遅れ気味に
はまっていることは確かだ・・・と思う。

それにしても。

何故、「あたし」だったのか・・・
どうしても気になる。
気になって眠れない。
特に、2万円を自分自身が3日で作ってみて
更に気になり始めた。
だって、あたしが3日で作れたんだから
彼だったら、どう考えたって
1日かそこらあれば、
簡単に作り出せる額なんだもの。
それに彼は貸してくれそうな友達は多い。
いざとなったら助けてくれる友達が
彼にはたくさんいる。
あたしなんかに借りるより確実な相手が
絶対にいたはずである。

「聞いてみよう。」
そう思い立って、メールする。
「どうしても聞きたいことがあります。」
今、きっとかなり忙しいだろうから
「本当に時間がある時でいいので
連絡下さい。」とも付け加えておく。

もし、これでとりあえず連絡が来れば、
決して彼が、あたしからの借金を
踏み倒して逃げようとしているのでは
ないということがまず分かる。

とにかく・・・待ってみるしかない。

そんなにすぐには連絡は来ないだろう。
ちょっと気持ちを落ち着けよう・・・

あたしの家は、弟と二人暮しで、
弟が家にいると、1人っきりになれる場所が
トイレか風呂しかなくなってしまう。
だから、何か1人で考え事をしたい時、
あたしの入浴時間は1時間近くにも及ぶ。

・・・それがいけなかった。

風呂から上がって、部屋に戻ってくると、
携帯に「メールを受信しました。」の表示。
さっきまでメールチャットをしていた
従妹からかな、と思い、チェックをしてみると
何と彼からだった!
まさかこんなに早く連絡があるとは・・・

「電話に出ないんだったら
メールしてこないで下さい!
不必要なメールは迷惑です!」

・・・えっ?!

あたしは慌てて、着信履歴を見た。
そして、唖然とした。

あたしの入浴中、何と彼は
3回も電話してきているのだ!
あたしがメールしてから30分と経っていない。

仕事が大変だろうから・・・と
むしろ気を遣ったつもりが
こんなことになるなんて・・・

家には弟がいるので、
あたしは急いで着替えて、
暗闇の中、近くの公園に走った。

携帯のメモリを開くと、必ず一番上に
出てくる彼の名前・・・
(注釈:わざとそうしているのではなく、
五十音順に並べると、自動的に
そうなってしまうのだ。)
内心、ドキドキしながらダイヤルする。
・・・どうしよう、怒ってるかな、
出てくれるかな・・・

「もしもし。」
彼の声は、思ったより明るかった。
あたしであることを告げる。
「あ〜、今ちょっとまずいんですよ〜。
ちょっと仕事中で・・・」
しゃべりが完全に仕事モードだ。
とにかく、電話に出られなかった理由を
きちんと言って、謝る。
「そうだったんだ。で、何でしょう。」
仕事中だ、と言われては、
さすがに今はあんなこと聞けないな、と思う。
「ホントに時間がある時でいいです。」
「じゃぁ、こっちから連絡します。夜は
何時ごろならいいかな。」
「7時以降なら、何時でもいいです。」

とりあえず、声的には、機嫌は悪くなかった。
ただ、彼の声による演技力はもの凄いもので
本当はどうだったのかは分からないけど・・・

ただ、一つだけハッキリしたことがあった。

彼は、あたしのことを心配してくれている、
ということ。

だって、仕事中で忙しいはずなのに
あたしがメールしたらすぐに
電話をくれたのだから・・・

今度は彼から電話をくれるということだけど
何だか、こんなしょーもないことを聞いて
本当にいいのだろうか・・・という
気がしてならない。
だからといって、折角電話をくれたのに
「やっぱりいいです。」と言ったら
余計に申し訳ない。

いつ電話が来るかは分からないけど・・・
ってのんきに構えてたら
またいきなり明日辺り、
電話が来そうだから、
とにかく、心の準備をして
彼からの電話を待とう。

期待通り・・・

2001年6月9日
・・・というか、
「期待しなかった」通り。

彼からの連絡は来なかった。

ふと、思う。
このまま、貸したお金が
返って来ないということは・・・

あり得る。
いや、しかし
あり得ない。

「あり得る」と思わせる点も
「あり得ない」と思わせる点も
両方、彼は持ち合わせている。

どちらも「彼」なのである。
「どちらを信じるのか」という
以前の問題である。

大分前の話しだが、彼が
「友達にお金貸して、
返ってこなかったことってある?」
って聞いてきたことがある。
前にも言ったと思うけど、
あたしは、お金の貸し借りをするような
友達はいない。
「貸したことないから。」と答えると、
「ふ〜ん・・・」と
何とも意味深な返事を返してきたが・・・

時々、彼の考えていることは
理解できなくなりそうなことがある。
「一般常識」というものが
彼には存在していないのではないか、
とも思わせる。
生まれ育った環境が違いすぎるのも
原因の一つかもしれないが。
彼自身の「常識」というか、
考え方を持っているのだ。
周りの何にも左右されない、
自分自身の考え方を・・・

だから、あたしには理解できないこともある。
だけど、あたしは無理に
理解することもないと思う。
それは彼の考えなのであって
あたしのそれではないから。
ただ、反対もしない。
反対する理由はない。

あたしの大好きな彼なのだから、
彼がそれでいいと思ってることに
いちいち口をはさむ気は、あたしにはない。
むしろ、本当の意味で
自由奔放に生きている彼だからこそ
あたしは、好きになったんだから。

さて・・・
今日は彼が山形に行った日だ。

心配なのは、
ホントに明日、帰ってくるのかどうかだ。
当初の予定では
「水曜日に借りて金曜日に返す」
との予定だったのだが・・・

今日は全く連絡がなかった。

ま、会う時は、直前になって
やっと連絡をくれる人だから
全然、気にはしていないんだけど。

ひょっとしたら、
このまんま山形に行ったまま
帰ってこない可能性もある。

本当に、彼の「予定」というものは
得体が知れない。
どこがどうなってるのか分からない。
いや、他人の予定なんて
分かるはずもないのだが、
やっぱり会う予定があったら
ある程度は分かるものではないか。
会う予定がある日でも、
全く読めないのだから苦労する。

時々、「俺って、彼女出来ないんだよなぁ。」
と、彼がそうもらすことがあるが
何となく分かる気がする。
多分、女性の方が振り回されてしまうんだろうな。

何はともあれ、明日、連絡は来るのだろうか。
あまり期待せずに待とう(笑)


彼が、いきなりあたしに
「お金貸して!」って言ってきた本当の理由は、
他にあるような気がする。

第一、彼は、あたしがお金に困っていることを
この世でいちばん分かっている人だ。
2、3万だってきついってこと、
十分承知のはずだ。
そんな彼が、平気であたしに
お金貸してくれって言うとは思えない。
よくよく考えてみたら。
あたしなんかに頼むより確実な方法は
彼にはたくさんあるはずだ。

実は彼はこの前、会ったあとも
ずっと東京にいたらしい。
どうやら、こっちでやる仕事が残っているらしく
行くに行けない状態のようだ。
しかし、7日は絶対に山形に
打ち合わせに行かなければならない。
そのためのお金がない、とのことだった。
だから彼は「6日までに。」と言っていた。
それで今日の18:00に渋谷で待ち合わせて
渡す予定になっていた・・・

しかし今日の朝になって
「やっぱり無理かも。」とメールが入る。
電話くれ、ということだったので
すぐに電話をした。
きっと急な仕事が入ったのだろう。
恐らく、銀行口座にでも
振り込んでおいてくれっていうことに
なるだろうと予想していた。

ところが、あたしの予想とは
全然違う方に話は進んでいった。

彼が言うには、
「渋谷で18:00に会ってすぐ別れても
家に着くのは20:00過ぎ。
次の日は山形に5:00のバスで行くから
3:00には起きなきゃない。
帰ってからもいろいろやることあるから
時間的にきつい。」とのこと。
・・・あたしは思った。
もし、本当にお金が必要だったら
何が何でも受け取ろうとするはずだ。
「それで・・・大丈夫なんですか?」
あたしは恐る恐る聞いてみた。
「ああ、7日は何とかする。」
彼が早口で言った。

・・・やっぱりあたしは
彼を助けることが出来なかった。
あたしの力では、彼を救うことが出来なかった。
自分の力のなさを悔やんだ。

その時。

「金曜日辺りどうかなぁ、
21:00とか22:00辺りにどっかで会えない?
いや、ホントは水曜日に借りて
金曜日に返そうかなって思ってたからさ。」

あたしは耳を疑った。

彼は、7日の分の資金を他から調達する。
だからあたしは用なしのはずだ。
金曜日に会わなければならない理由がない。
何か他の理由で日帰りで
東京に帰ってくることがあっても
あたしに会う必要はどこにもないはずだ。

なのに、何故・・・?

そう考えているうちに
ひょっとして彼は始めっから
あたしに本気でお金を借りる気なんて
なかったのではないか、という
気がしてきた。
いや、これはあたしの勝手な
思い過ごしなのかもしれないが
けれどどうしてもつじつまが合わない。
やっぱり彼は、こっちにいる間に
少しでも多くあたしに
会ってくれようとしてくれているのでは・・・?

この答えは、金曜日に分かるのだろうか。


ついに彼からメールが入る。

「元気ですか?
ちょっとお願いが・・・」

いきなり何だろう。
彼があたしにお願い、だなんて・・・
あたしに出来ることなら、と
返事をする。

「言いづらいんだけど、
2、3万貸してくれませんか?」

そのメールを見た瞬間、ちょっとドキッとした。
それには、わけがある・・・

いつだったか、彼が、
「金の貸し借りが出来るくらいの
友達って、いるか?」って
聞いてきたことがある。
あたしは正直、それまで友達に
「お金貸して!」って頼まれたこともないし、
逆に友達に「お金貸して!」って
頼んだこともなかった。
だから「いないなぁ・・・」って答えたら
苦笑いしながら彼は、
「そりゃいかんな。」って言った。

「お金の貸し借りが出来る仲」って
つまりどういうことなのか・・・
それだけ信頼の出来る仲であるということだ。

実は、あたしはちょっと前に
彼からお金を借りたことがある。
これは、あたしが貸してっていったのではなくて
彼の方から「貸そうか?」と言ってきたのだ。
その少し前に、彼が
「俺、仲のいい友達でも
そう簡単に金貸したりしない方なんだなぁ。」
って言ってたのを覚えていたから
かなり驚いた。
返す時も、「大丈夫か?今、それ返して
暮らしていけるか?
俺は好意で貸しただけなんだから、
別に今じゃなくても・・・」
って、すごく心配してくれた。

今、彼があたしに「お金貸してくれ!」
って言ってきている・・・
これって、何気ない出来事のようだけど、
あたしにはとっても重要なことのように思える。
正直、今のあたしにとって
2、3万という額は、少々きつい。
でも・・・ここでまたあたしは
彼の言ったことを思い出した。

「本当に人を好きになったことがあるか?
『こいつのためなら死んでもいいかな。』って
思える人間がいるか?」

あたしは、彼を助けたい。
たとえ、あたしの大事なものを失っても。

まかせて!
あなたのことはあたしが助ける!!

P.S.読者様各位
大丈夫。命を落とすような
危ない真似はしませんから・・・(^^)
いよいよ我慢出来なくなり
メールしてみる。
返事は来ない・・・
合唱の練習に行く。

歌っている間は、
辛いことは全部忘れていられるけど
練習が終わって、帰ってきて
一人になるとまた淋しくなる。

土曜日だけど、
彼は仕事は休みなんだろうか・・・
建築工事現場って、
土曜日、結構、休みだよな・・・

彼のことを考え出すと
淋しくて淋しくて仕方なくなる。
まだ1週間も経ってないのに。

淋しいとは思いながらも
今日は充実していた気がする。

まだ、彼が山形に旅立って以来、
何も連絡はしていない。
何もないのにメールするのもな・・・って。

明日はコンフェデ杯の
VSカメルーン戦だから、
その辺のことも織り交ぜて
メールしてみようかな、とは思ってるけど。

でも、正直、
彼の気持ちをきちんと聞いたわけでないから
何だかものすごく不安でもあって・・・
ホントは軽く
あしらわれてるだけなんじゃないか・・・とか。

いや、そんなこと、思ってちゃダメだ。
そんな不安を持っている限り、
いつまでたってもうまくいかない。
大丈夫、胸張って生きよう!!
今日、同い年の従妹と
メールチャットをしていた時、
彼の話になった。
家族を含め、親戚一同の中で
彼の存在を知っているのは彼女だけだ。

「・・・そう、じゃぁ、
しばらくは電話かメールでしか話せないんだ。」
「そう。でも大事な仕事で行ってるから
邪魔はしたくないんだよね。」
「じゃ、1日1メールって
決めればいいんだよ。
毎日1回はメールすれば、そのうち
彼の方からしてくるようになるかもよ!」
「でもなぁ、2ヶ月間、
プライベートは一切抜きでやるみたいだから。」
「自分がされて嬉しいことや
相手にしてほしいことを、
求めるだけじゃなくて、まず
自分がしてあげるといいよ。」

あたしは、どちらかというと
大好きな人にはかまってほしいタイプだ。
一方。
あたしが思うに。
彼は、干渉されることをかなり嫌うタイプ。
そして、相手に対する愛情は
普段、あまり表に出さないタイプだと思う。
(2人きりになったら・・・
どうなるのかは分からないけど?)

自分が求めることを
まず自分が相手にしてあげる・・・
確かに、いい考えではあるかもしれない。
しかし、あたしの場合、
下手にやると、悪い方に行ってしまいそうだ。

「でも、我慢は禁物よ!
自分の気持ちが相手に伝わらないから!」

これは難しい。
ひょっとしたら、これは
最初の「試練」なのかもしれない。
この2ヶ月間を
どう乗り切るか、だ。

あたしは、昨日、
彼に自分の気持ちを伝えた。
確かに、最初の「印象」を与えただろう。
でも、それはほんの始まりにすぎないんだ。
自分の気持ちの一片を
見せただけに他ならない。
これから少しづつ、時間をかけながら
この気持ちを伝えていかなければ・・・
しかも、2ヶ月、実際に
会うことがないのだ。
文字だけ(うまくすれば、声も使えるけど)で
伝えていかなければならない。

相手の気持ちも尊重しつつ
自分の気持ちを主張する・・・
これほど難しいことだとは思わなかった。
でも、頑張る。
彼のためなら・・・
「好きです」

あたしはこの26年の人生の中で
何度も、この4文字の言葉を
言ったり書いたりしてきた。

しかし、
これほどまでにたくさんの意味と
想いを持った「好きです」と言う言葉を
自分の中から発したことがあっただろうか・・・

16:00ちょっと前・・・
あたしはすでに中央線に揺られ
新宿へと向かっていた。

「仕事終わりました。
今新宿にいます。」とメールが入る。

よく考えたら今日が初めてだな。
あたしから「会いたい」って言ったの。
いつも「今日、暇?」
って言ってきてたのは彼の方からだった。

「あたしも今新宿に向かってます。
あと10分くらいで着きます。」
とメールする。

よく考えたら今日が初めてだな。
相手を目の前にして
自分の気持ちを伝えるのは。
どうやって伝えたらいいんだろう・・・
中野駅を過ぎても、
あたしは何をどうやって伝えたらいいのか
全然検討がつかなかった。
手紙で書くときは、
一生懸命考えながら、
自分の気持ちを書いていけばよかった。
でも、その場で自分の気持ちを
相手を見て、言わなければならないなんて・・・

結局、いい方法が見つからないまま、
電車は新宿駅に到着してしまった。

待ち合わせ場所の、
東口のヨドバシカメラの前から電話する。

「・・・この前と同じ場所にいます。」
って言ったら、「あ、いた!」
という言葉と同時に電話が切れた。
いつものパターンだ。

ところで皆さんは
ミヒャエル・エンデ氏の
「モモ」というお話を
読んだことがあるだろうか。
読んだことがある方なら、ご存知だろう。
モモの、たった一つの特技を・・・

それは、「人の話を聞くこと」。

何かに行き詰まったり、落ち込んだりしたとき
みんな、モモのところへ行って
話を聞いてもらう。
モモはただ、話を聞いているだけ。
本当に、ただ、聞いているだけなのだ。
それだけなのに、みんな、
モモに話を聞いてもらうだけで
いい解決策が浮かんできてしまうのである。
別にモモが教えたわけではない。
その人が、自分自身の力で
自分の進むべき道を見つけ出すのだ。

あたしにとって、彼は
「モモ」みたいな存在でもある。
よくしゃべるという点では
モモとはちょっと違うけど・・・
ちょっと思い悩んでいることを彼に話すと
何となく、目の前に
光が見えてきたような気がしてくる。
別に彼が答えを教えてくれたわけじゃないけど
彼の一言一言がヒントになって
気がついたら自分の進むべき道が
見えてきているのだ。

「・・・じゃ、俺、帰るわ。」
彼がそう言って、腰掛けていた
手すりから立ち上がった。
彼は、明日から山形に行く。
「やってもやんなくてもいい仕事」
とは言ってたけど、結局は
「明日までに仕上げなきゃない図面が
2枚ほどある」とのことだった。
大事な仕事の前の、大変な時期に
1時間も時間を空けてくれたんだなって思うと
本当にありがたいという思いでいっぱいだった。
それと同時に、
今日は絶対に、自分の想いを
伝えなければ・・・と思った。

改札まで見送りたいと言ったんだけど
「いいよ、俺、そういうの嫌いだから。」
って笑い飛ばされたので諦めた。
だとしたら、言うなら今しかない。
「それじゃぁまぁ、頑張って。」
「Aさんも、お仕事頑張って・・・
無事で帰ってきて下さいね。」
そう言ってから一息ついて
「今のあたしにとって、Aさんは
いてくれなきゃ困る存在だから・・・」
そう言うと彼は
「な〜に言ってんだよ(笑)」
って、ケラケラ笑いながら言った。
その瞬間、あたしは
「余計な言葉はいらない。」って思った。
「じゃ!」って右手を軽くあげて
彼が階段を何段か降りかけた。

「好きです!」

咄嗟に、口をついて出てきた言葉だった。

彼はちょっとだけ立ち止まって
半分だけ振り返り、
「おう。」
とだけ、笑いながら言った。
その笑顔の横顔に、あたしは手を振った・・・

これは、あたしがそう思っただけなんだけど
あの時の彼の笑顔は
「そんなこと、言わなくたって
もう分かってるよ。」
って言っているようにも見えた。

彼なら、きっと分かってくれてると思う。
あの時の「好きです」に込められた
たくさんの想いを。

帰りに、「はてしない物語」の下巻を買った。
その中に、こんな言葉が書かれている。

「汝の 欲する ことを なせ」

彼も、今日、言ってた。
「やりたいって思うんだったら、やれ。」って。
迷うことは何もない。
そうありたいと望むのなら。

「汝の 欲する ことを なせ」

この言葉を胸に、明日からまた頑張ろう。
今度彼に会った時、
飛びっきりの笑顔で会えるように。
今より少しでも輝いている
あたしを見て欲しいから・・・


新バイトの新任研修に行ってきた。
4日間あるんだけど、その1日目。

警備会社の新任研修だから
そりゃ何たって厳しいししんどい。
でも、あたしはそれは覚悟の上で行ったから
全然、辛くはなかった。
それに、厳しいとはいえ
覚えることはそんなに難しくない。
だから、とにかく
「新しいことを覚えるんだから
楽しまなきゃもったいない!」
という気持ちで臨んだ。
8:30から19:00くらいまでかかるから
かなりの拘束時間だけど
あたしはそんなに長いとは思わなかった。
決してあっという間でもなかったけど。

ところで今日、うちの支店から
新人が、あたし入れて4人行ったんだけど
そのうちの1人が、辞めてしまった。
50歳手前くらいの男の人だ。
支店に戻って、最後の挨拶が終わってから
何やら文句を言っている声が
こっちにも聞こえてきた。
今日で研修が終わる女の人が
「2年も仕事してないから
あんなこと言ってるんだよ・・・」
って言ってた。
あたしも同感だった。
大の大人が何文句言ってるんだって思った。
楽して出来る仕事なんてない。
当然のことだ。
みっともないなぁって思うと同時に
可哀想だなぁとも思った。
この人、これから大丈夫なんだろうか。

さて、明日も行こうと思ってるんだけど
今、これを書きながらも
実は変な寒気がする。
ちょっと熱があるらしい・・・
とりあえず、寝よう。
起きた時点でまだ熱があったら
休むしかないけど・・・

いよいよ決戦の日が近いから
体力も気力も温存しなきゃね。

最近、彼以外の人間と
接していないあたしにとっては
今日は本当に「素晴らしく有意義な一日」
だったと思う。

世の中、すっかり
ネット社会に浸ってしまったようだが
やはり「オフライン」の世界も
大事にしなければならない。
文字での意志の伝達ももちろん、大切。
でもやっぱり生身の人間の
生の声で同じ内容を聞くと
印象違うと思う。
あたし自身、何をするにしても
今まで、「文字」というものに
頼りすぎていたところがある。
でも、それだけじゃいけないと思った。
相手を目の前にして、
自分の「声」で伝えるということも
これから努力して、
もっともっと身に付けていこうと思う。
怖がることは何もない。
ちょっと考え方を一つ変えるだけで
今までになかった「自信」が
頭をもたげてくる。
まさに今日はそういう日だった。

水曜日の決戦の前に
素晴らしい仲間と、
素晴らしい話が出来てよかったと思う。

ところで、今日、買ったばかりの
「はてしない物語(上巻)」/著・M−エンデ
見事なまでに読んでしまった・・・
今まで、あれだけ読み進めるのが遅かったあたしは
一体何だったのだろう。
何があたしをそこまでさせているのだろう。
つくづく、自分が恐ろしくなる・・・
決戦は水曜日に決まった。

「塩狩峠」をプレゼントしてもらった
あの日の帰り。
別れ際に、あたしは何とか
自分の気持ちを伝えようとした。

「どうした?元気なくなってるぞ?
何かまた、俺、いじめてるみたいじゃん(笑)」
彼があたしの顔を覗き込んだ。
「・・・あたし、
ホントは話したいこといっぱいあるんやんか。
話すんやったら、今日しかないと
思ったんやんか。
・・・Aさん、今日、これから
どうするの?」
場所も駅前だったし、
これだけ言うのが精一杯だった。
「今から?家に帰るよ。
それでちょっと仕事して・・・」
「そっかぁ・・・
じゃぁ、引き止めちゃいけませんね・・・」
話すなら、今日がチャンスだと思ってた。
結局今日も伝えることが出来ずに終わってしまう。

「暇な時にしよう。」
あたしは顔を上げた。
彼の目は、優しかった。
見つめると、吸い込まれそうで
いつも、直視できなくて
あたしの方が先に目をそらしてしまう・・・
「連絡くれればさ、
いつでも時間空けるし・・・」
あたしは思い切って聞いてみた。
「山形行く前に、もう一度会えますか?」
「いいよ。じゃ、連絡ちょうだい。」

前にも書いたかと思うが、
あたしは今までに、
「告白」は何度も経験している。
しかし、相手の目を見て言った事がない。
いつも手紙を書いて渡していた。
だがその手紙でさえも
直接渡したことは一度しかない。
それは、今から思うと、
自信がなかったからではないか。
「自信がない」と思ったことが
うまくいくはずなんかないのだ。

いろいろと、反対意見はあるかと思うが
敢えて、言わせてもらおう。

「人は心で生きている。」

自分は成功するんだ!!って
強く心に思うこと。
これが一番大事なことなんだ。
「思うだけでうまくいくんだったら
苦労はしない」という人もいるかもしれない。
普通の人なら、そう考えて当然だ。
しかし、そう考えるからこそ
うまく行かないのだ。
「思うだけ」というのは、難しい。
どうしても、そういうマイナス材料が
入りがちだからである。
しかし逆に考えると、
「思うだけ」でいいのである。
自分が成功した姿を
ハッキリとイメージすることが出来る。
そしてそれこそが、
自分のあるべき姿なのだ!・・・と。

あたしは信じてる。
あたしが彼を尊敬していること。
あたしが彼を目標としていること。
あたしが彼に認めてほしいと思ってること。
あたしが彼にそばにいてほしいと思ってること。
そして彼はきっとそんなあたしを
抱きしめてくれる・・・と。
また、本を1冊、読んでしまった。
天童荒太先生の「孤独の歌声」
この前、うちに来た母親が
置いていった本だ。
本棚にほったらかしになっていたのを
引っ張り出してきた。

「淋しがり屋の孤独好き」
いつか彼が自分のことをそう言ったことがある。

「孤独」って何だろう。
一人でいて、自分の他に誰もいない、
たったそれだけのことだろうか。

自分が「孤独だ」と思っていても
実はそれは孤独なんかじゃないことがある。
逆に自分は「孤独じゃない」と思っていても
実はそれは大いに孤独だったりすることもある。
この本を読んでいると
一体何を持ってして「孤独」というのか
分からなくなりそうだった。

「孤独」について考えているうちに
ふと、「愛」についても考えていた。
全然関係ないじゃん!なんて思われそうだが
あたしは、大いに関係あるのではないか、
と、この本を読んでいて思った。

「塩狩峠」に
「愛」について書かれている一節があった。
「ほんとうの愛とは、どんなものか、
みなさんおわかりですか。
みなさん、愛とは、自分の最も大事なものを
人にやってしまうことであります。
最も大事なものとは何でありますか。
それは命ではありませんか。」
これは、キリスト教の伝道師の言葉だから
宗教的な意味がちょっと
含まれているかもしれないけど
もし、「愛」というものが
そういうものなのだとして。
もしすべての人間が
「孤独」であるものだとしたら。

「愛」って一言で言うけど
簡単に言ってしまうけど
実は「人を愛する」っていうことは
ものすごく大変で難しいことなのかもしれない。

人は皆、孤独で、
それぞれが自分の世界を持ってる。
自分だけの世界を持っているもの同士に
「愛」が生まれる時。
「この人になら、自分の命を
すべて与えてもいい」という
感情が芽生える時。
それは、お互いがお互いの世界を
理解出来た時・・・だと思う。あたしは。
でも、それでもやはり
自分自身の「孤独」を守ること、つまり
自分自身の世界を守っていくことも
大事なことだと思う。

そういえば、
彼がこんなことを聞いてきたことがある。
「本当に、人を好きになったことがある?」
確かに、人を好きだと思ったことは
何度もある。
でも、改めてそう聞かれると
何となく、自信がない・・・
「俺さ、男友達なんだけど
『こいつのためなら、死んでもいいかな。』
って思えるヤツが一人いるんだよね。
最近、会ってないけど・・・」
彼はそう言ってたっけ。

あたしは、「君のためなら死ねる。」
みたいな感情が嫌いだった。
だって、死んだら何にもならないじゃん!
あたしは、「死」に対して
恐怖感とともに、嫌悪感も抱いていた気がする。

今、「死」というものについて考えてみて。
恐怖感は、今もなお、ある。
でも、不思議と嫌悪感はない。
「死」は決して悪ではない。
そんな感情が自分の中に芽生えている気がする。

本を読むと、
ホントにいろんなことを考えるようになる。
頭の中が、休むことなく回転している。
いいことなのだとは思うけど、
いささか疲れる・・・
だけど、心地よい疲れだ。

今、ふと思った。
あたしが、今、彼を好きだと思う気持ちは
彼の言うところの
「本当に人を好きになる」ことなのだろうか。
正直なところ、
まだはっきりと自信を持って言うことは
出来ないのかもしれない。
でも、明らかに、今までの「好き」とは
違う感情だと思う。
ひょっとしたらあたしは、
彼のためなら死ねる・・・かもしれない。


本当の「読書」

2001年5月25日
「モモ」を読んでみた。
前、読んだ時は、5日もかかったのに
1日で読んでしまった。

あたし自身、
今までだって本を読むのは好きだった。
でも、いまいち
その本の中の世界に
入り込めてなかったような気がする。
入り込めていれば、
そう簡単に、読むのを止めたり出来ない。
例え、どんなことがあっても・・・

「趣味は何?」と聞かれて
「読書」と答える人は多いはず。
でも、本当の意味での「読書」を
している人は少ないのではないかと思う。

だって・・・
もの凄いエネルギーを使うんだもの!!
初めて知った。
本を読むということが
これだけ大変なことだっていうこと。

それとも、
あたしが今まで本当の
「読書」っていうものを
身に付けていなかったのかしら。
それで、この年になって
本当の「読書」ってものを知って
苦労しているっていうだけなのかなぁ。

間違いなく彼は
本当の「読書」を
小さい頃に身に付けている。
だからこそ、あれだけいろいろな
考え方を持ってる。
初めは、きっと彼は
ものすごくたくさんの人と
接しているからだと思った。
確かに、それもその通りだと思うけど、
一番の原因は
彼がたくさんの本を読んできて、
その本の中の世界に本当に入り込んで、
そしてその分だけ
たくさんのことを考えてきたからかもしれない。

読書って、
簡単なようでいて、難しい。

昨日、彼は
「塩狩峠」の他にも
何冊か、本を教えてくれた。

「霧のむこうのふしぎな町」
柏葉幸子さんの作品である。
小学生向けの本ではお馴染みの
講談社青い鳥文庫から出ている。
(彼は、青い鳥文庫じゃないやつを
持ってるらしいんだけど、
そっちはもう絶版になってるみたい・・・)

昨日、教えてもらって、
タイトルを見ただけで、
「読みたい!」と思ってしまい、
今日、新しいバイト先の面接のあと、
昨日と同じ本屋に行って、購入した。
「塩狩峠」も読んでしまっていたから
また、イトーヨーカドーの地下で
夢中になって読んでた。
これは、あっという間に読んでしまった。
きっと彼はこの本を
小学生くらいの頃に読んだのではないかしら。
そうすると・・・
ちょうどあたしが生まれたくらいの頃に
読んだのかもしれない。
よっぽど印象に残ってたんだね。
こんな年まで覚えてるなんて・・・

びっくりさせてやろうと思って
「2冊とも読んでしまいました(^^)」
ってメールした。
すると・・・なんと返事が
メールではなくて電話で来たからびっくり!!
びっくりしたけど、嬉しかった。
「もう読んだの?早いな(^^;)」
って、笑ってた。
昨日、読み進めるのが遅いって話を
したばっかりだったからね。
「どうだった?」って聞かれたけど
何かうまく答えられなかった・・・
「主人公が、あたしに似てるような気がしたし、
Aさん(<彼)にも似てるような気がした。」
って言ったら、笑ってるだけだったけど(^^;)

文明開化の後で、
人々がちょっと賢くなってきた中で、
真っ直ぐに、純粋なままで
生きていく主人公はあたしに似てる。
自分のことは後回しにしてでも、
困っている人を助けようとする主人公は
彼に似てる。
率直に、そう思ったから。

そういえば、
「霧のむこうのふしぎな町」の感想は
全然話してなかったな・・・
明日にでも話そう。
「『誉められること』のありがたさ」
を学んだって。

もっともっと読みたくなった。
今度は何を読もうか・・・
ミヒャエル・エンデの
「はてしない物語」・・・あれにしよう!
でも、「モモ」も
もう一回、読みたいな。
今だったら、また感じ方が
違ってるかもしれないし。

もっともっとたくさん本を読もう。
少しでも彼の世界に近づけるように・・・

2時半・・・
やはり昨日と同じ時刻だ。
そんな気がして、あたしは
携帯を枕元に置いておいたのだ。

「暇で時間がある日を教えて下さい。」

いやもう、眠気も吹っ飛んださ!(笑)
仕事がなくて、一日暇なのは・・・
木曜日だな。
早速、「木曜日ならOKです!」
と、メールする。
今日にでもすぐ会いたい気はあったけど
さすがに仕事が朝から夕方まであるし。
それだったら、
確実に時間がある日の方がいいと思って
あたしは、「木曜日」を指定した。
そしたら、あとは空いてないのか?と聞かれた。
今日はバイトだから16:00以降、
水曜日は面接があるから14:00以降なら・・・
と返事をすると、
「自分は今日くらいしか時間が
取れないかもしれない。」とのこと。
じゃ、初めから、
「今日、どうですか?」って
言ってくれりゃぁいいのになぁ、と思いつつ、
まずあたしのスケジュールを
尊重してくれようとしたのかな、と思うと、
ちょっとジ〜ンときてしまう。

なんて思ってると、
突然、この真夜中に、あたしの携帯が
「ちょこっとLOVE」を歌い出す。
メールではなく、電話ときた!!
あんまり嬉しくて、ハイテンションな声になる。
しかし彼は眠そうな声だ。
かなりテンションが低い。

「誕生日・・・過ぎちゃいましたね(^^;)」
それが第一声だった。
更に胸が熱くなった。

かくして、急遽、
今日、会うことになった・・・

街中をぶらぶら歩きながら、
「何かさぁ、『欲しい!』って思うものとか
ないの?」と突然聞かれる。
このところ、気持ちに余裕がないせいか、
「これが欲しい!」とかいう感情が
薄れているような気がしていた。

「最近、無性に
『本が読みたい!』って思います・・・」

気がついたらあたしは
そう言っていた。
もちろん、嘘なんかではない。
実際、あたしはそう思っていたところだった。
当然、彼に触発されてのことだけど。

一緒に晩ご飯を食べながら、
「少年H」の話をした。
もちろん、彼ももう読んでしまっていた。
しかも、あたしが4日かかったところを
彼は1日で読んでしまっていたのだから
「さすが!」である。

それからしばらく、本の話になった。
彼の言う本は、あたしの知らない本ばかりだ。
「知らないの?マジで?」
ばっかり連呼されてしまう・・・

「よし、ここの下に本屋があるから
あとで行こう!」

そこであたしは、ある一冊の本に出会う。
三浦綾子先生の「塩狩峠」。
彼があたしにプレゼントしてくれた本だ。
そしてそれは、もちろん、
彼も読んだ本である。
「これ、やる。」って
ひょいっと、まるで軽いもののように
手渡されたが、手にした瞬間、
何ともしれない重みを感じた。
言いようのない気持ちで胸がいっぱいになって、
「ありがとう。」の一言しか言えなかった。

家に帰って読む気がしなかったので、
23:00までやっている、
イトーヨーカドーの地下の軽食店街に行って
22:30近くまで、読みふけっていた。
そういう場面じゃないところでも、
何故か涙があふれた。
この一言一言を、彼も読んだのだ。
何だかすべてが、
彼の、あたしへのメッセージのような気がした。
夢中になって読んだ。
気がつくと、もう3分の2も読んでしまっていた。
あたしは、比較的、読み進めるのが遅い。
そのあたしが、1日足らずで
1冊、読み終えようとしているのだ!
・・・恐怖すら感じた(ホントに)

今一度、この本を手に取ってみる。
読む前よりも、更に重みが
増しているような気がする。
ふと、彼がそばにいるような気がした。
彼も、この本を読み、
今のあたしと同じように、
いろいろなことを考えたんだろうな。
ここを読んだ時、彼はどう思ったのかな。
あたしはこう思うけど、どうかな。
読みながらあたしは、
彼に問いかけていた。

ホントに、あたしは
決して一人じゃないって、確信した。

この世で一番大切な人がくれた
この世で一番大切な宝物。
やっとあたしにも
「宝物」と思えるものが出来た。

ありがとう。一生大事にするね。


1 2 3 4 5

 

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索