「今、どの辺?」
「あと二駅です。」

東急田園都市線「青葉台駅」に
13:30・・・
ヤバイな、ギリギリギッチョンだ。
田園都市線なんて、乗ったことないもん。
間違って、各駅停車に乗ってしまって、
青葉台に到着したのは、
本当に、13:30ちょうどだった。

先に着いているらしい、彼に
改札前で慌てて電話する。
「傘、持ってる?」
「はい、折りたたみなら、持ってます。」
「駅前まで車が入れないんだ、
改札出て右に曲がって、
バスターミナルに突き当たったらまた
右に曲がって、そこにある階段を
登ってきて。」
電話をつなぎっぱなしで行動したので
傘なんてさしていられなかった。
たいした雨じゃない。
急ぎ足で階段を登り切る。
道路に出たが、彼の車が見当たらない。
「一番上まで登り切っちゃいましたよ?」
「あ、ほら、いるじゃん、目の前。」
目の前・・・あ。
通りで気づかないわけだ。
いつもと車が違う。

いつも乗ってた軽自動車・・・
何とそれも、壊れたらしい。
全く、踏んだり蹴ったりだ。
テレビは壊れるわ、車は壊れるわ、
お金はなくなるわ・・・
「あれ?携帯、替えました?」
「実は、携帯も壊れまして・・・」
・・・絶句した。

よく、それだけの極限状態の中で
こんなに平然としていられるなぁって思った。
あたしだったら・・・
もう、やる気なくして、
家の中に閉じこもってしまうだろう。

「・・・その上、仕事も忙しくて、
睡眠時間も2時間くらいしかなくて・・・
ストレスがたまって、だんだん
怒りっぽくなるんですよ。
これは、経済的にも精神的にも
誰かに助けてもらわなきゃって思って・・・
そんな時に、あなたのことが
思い浮かんだわけで・・・」

そうだったんだ。何だか、嬉しかった。
お先真っ暗な極限状態の中で
一筋の光明を見つけたように、
あたしのことを思い出してくれたのだ。
「運命」って、大げさなものではないけれど
「この人は、あたしを必要としている人だ」
って思った。

昔は、あたしの心ばかりが一方的に走ってた。
でも、今日は何だか、お互いの心が
通い合っていたような気がする。
もう、何も話さなくても十分、
分かり合っているような・・・そんな気がした。
二人だけの「安らぎ」の場所が、
そこにはあった。
たとえ沈黙が続いても、
ホッとした空気がそこに流れていて、
居心地がよかった。
きっと、彼も同じことを感じていただろう。
そして、それこそが、彼があたしに
本当に求めているものなのではないか。
経済的な援助だけを求めているのではない。
むしろ、それは二の次三の次。

「キャ〜〜〜ッ!どうしよ〜〜〜〜っ!!」
ってな、浮き足立った幸せではない。
何となくまったりとしてて、
何となく甘ったるくて、
何となくのんびりとした・・・
でも、しっかり地に足のついた、
そんな幸せを、あたしは感じた。

今日もやっぱり彼は、仕事が忙しいらしく
1時間くらいしか一緒にいられなかった。
「ごめんね、時間なくて・・・
時間があれば、遊びに行こうって
言えるんだけどな・・・」って
しきりに言っていた。
帰り際に、「時間が出来たら、電話します。」
って言ってくれた。

どうしたら、彼を癒してあげられるだろう。

帰りの電車の中で、それを考えていたら
涙が溢れた。

ああ、あたしは本当に、あの人が好きなんだ。
あの人を好きになって、本当によかった・・・

心の底から、そう思った。

P.S.>>
 ただ、人の気持ちを十分に分かった上で
 「何か俺ってモテるらしいんだよね。」
 「こないだ、飲みすぎて、気がついたら
 女友達の部屋で寝てたんだよね。」
 「清楚な女マッサージ師との恋愛に
 走ろうかと思ってるんだけど
 そういう知り合い、いない?」とか、
 そういう話題はやめてほしい・・・(切実)

コメント

お気に入り日記の更新

テーマ別日記一覧

まだテーマがありません

この日記について

日記内を検索